
ザイドさん、昔に比べてずいぶん丸くなったんだなと思います。
ぶるぶるさんの暗黒騎士AF取りが終わりましたので、クエストをちょろっと振り返りたいと思います。
ずいぶん昔のクエストなので、内容を知っている方も多いでしょうけれど、一応ネタバレなので折りたたみにしておくよ。
★★★

頼まれたNMを討伐しようとしたら、その場所に伝説のモルボルガーがわいてて、すまん巻き込むぞで倒された気の毒なモルボルガー。なにげにエミネンス目標も達成。

ちなみに締めくくりのクエストのオファーはザイドさんからなのですが、場所が「神出鬼没」扱いされててフフッとなる。名刺に「住所:旅行中」とか書いてありそう。ホリー・ゴライトリーみたい。

そして実際にやることは、ベドーやオルデールやデルクフなど、方向音痴が行きたくないダンジョントップグループをえんえん走らされるものなので、血反吐が出そうになりました(笑)。ネット情報がなければ死んでいた……。先人の地図ってありがたいですね。
暗黒騎士のAFクエストは、ダークインゴットを使っての武具防具製作を極めたガルカの鍛冶師ゲーヴィッツと、ザイドの対話が軸となっております。
ダークインゴットの技術が生前継承されなかったことが心残り、というよりも恨みに思って、転生に出られず彷徨い続けるゲーヴィッツと彼の残した武器たち。ゲーヴィッツは、記憶を残して転生できる語り部を「羨ましい」とすら思ってしまう。
ザイドは、語り部たるラオグリムの悲劇を知っているので、ゲーヴィッツに対して「ふざけるな!」と怒り出しても許されたと思うのですけど、そんなことはしないで、静かに語るのですよね。過去に自分も色々な過ちを犯して、それでも今の自分があることを知っているからこそ、ザイドは実は、罪人を思いやれる人なのではないかと感じます。
クエストの最後に、ザイドが冒険者に宛てた手紙には、「正義などと言う安い言葉より価値のある何かをおまえはつかめるはずだ。」とあります。
暗黒騎士というのは、ナイトや白魔道士のように、女神や正義や大義というものから自由だけれど、逆に言えばそれらに頼ることが許されない存在です。頼れるのは自分の生き方、自分の信条だけ。自分の外に答えを求めることはできないし、過ちも間違いも罪も全て自分の責任として負い、それでいて開き直ることは許されない。
「おまえの刃は黒く輝いているか?」というザイドの問いは、自分を恃みに自分を信じて生きていくことが、正義よりも価値あるものだけれど、それは黒い道で、決して明るく称賛されるものでもないことを示しています。他人から何をどう言われても、反駁して自分の正当性を示すことすら、できないのです。
でも、そうしないと進めない道があり、行けない場所がある。そういう生き方をしなければならない人というのも、世界には存在するのだと。
ザイドと、彼の言動というのは、最近のヴァナではコミックリリーフみたいに扱われがちで、厨二病の権化みたいに思われがちなのですけど、ザイドと暗黒騎士の道というのは、本当はそういう茶化すような対象じゃないよなぁと感じられるクエストでした。クリアできてよかったです!
他人に言い訳をしないザイドさんは、最近の面白枠での扱いに文句も言わない気がするけれど、でもそろそろ、ザイドさんに本当の意味でのかっこいい素敵な見せ場が欲しいですね。新クエストでも新ミッションでも朗読劇でもいいので!